ヨガの目的は、ダイエットや体力づくり・運動不足解消等の身体的な改善で通う方が多いと思います。ですが、身体的だけでなく、心理的(メンタル)にも好影響があるという論文も発表されています。今回は、ヨガが心理的(メンタル)に与える効果についての調査結果について紹介します。この調査研究の論文タイトルは、「ヨガの心理的効果についての調査研究」で Japanese journal of Counselling Science に掲載されています☆
ヨガのメンタル面への効果の調査概要
ヨガが心理的状態に好影響を及ぼすかどうかを検証する目的で、大阪経済大学がヨガ団体の協力を得て、この調査が行われました。ヨガを始めたばかりの参加者74名が、はじめてレッスンに通ったとき、およびその約1ヵ月後、約2ヵ月後の心理的変化(メンタル変化)を継時的に測定しています。
ヨガのメンタル面への効果の調査内容
下記の尺度を用いて調査されています。
自尊感情
自分のことを、ありのままで大切で価値があると感じていり程度の測定。得点が高いほど、自分自身のことを尊重しており自分に価値があると感じでいる。
対人恐怖心性
自分や他人が気になる悩み」を測定。得点が高いほど対人不安傾向が高いことを示す。
自己志向的完全主義
「完全でありたいという欲求」と「ミス(失敗)を角に気にする傾向」の2つの尺度。得点が高いほど、完全主義傾向、失敗恐怖症傾向が高い事を示す。
生きがい感スケール
「現状満足感」5項目と「意欲」9項目を測定。得点が高いほど人生への満足感が高いこと、人生に希望を感じており、これからも充実した意味ある人生にしたいという意欲が高いことを示す。
調査のために実施したヨガのレッスン内容
1回あたりのレッスン時間はおおよそ70分です。最初に全身の筋肉をじっくり伸ばしたり、股関節・首関節・肩関節などの大きな関節をゆっくりまわし、次に、テンポの速い音楽と一緒に全身を自由にゆすります。その後、仰向けになり脚を股関節から持ち上げ、下腹部に注意を集中して深くゆったりとした呼吸を続け、最後に、全身のストレッチで終了になります。
ヨガのメンタル面への効果の調査結果
6つの尺度項目(自尊感情、対人不安、完全主義、失敗恐怖、満足感、意欲)の平均得点の推移か下記の通りです。
6つの尺度得点(自尊感情、対人不安、完全主義、失敗恐怖、満足感、意欲)に対して、すべて心理状態は向上しています。自尊感情がより高まり、人生により満足し、前向きに生きようという意欲が増し、対人不安と完全主義は減少しています。
まとめ
ヨガは身体的だけでなく、心理的(メンタル)にも好影響があるということがこの結果からもわかりました。ヨガを始めたばかりの方の2か月後の心理変化(メンタル変化)は、自尊感情、満足感、意欲の得点は上昇し、逆に、対人不安と完全主義の得点は低下していました。これは、週あたり平均して約2回のレッスンを受講し続けることで、ヨガが心理的健康を促進する効果があることを示しています。
ヨガをすることで身体もメンタルも改善できるのは、とても嬉しいことですね!!
コメント