現在のヨガは身体を動かす「ハタヨガ」が一般的ですが、ハタヨガ以外にも多くの流派・種類があります。ヨガの流派にはインドの伝統的な流派や、そこから派生して現代人が取り入れやすいようにアレンジされた現代ヨガまで多くの種類が生まれています。今回ここでは「四大ヨガ」と呼ばれている古典ヨガ4種類と、代表的な現代ヨガの流派8種類を紹介します☆
ヨガの歴史
ヨガの歴史はとても古く哲学も奥深いです。インドの歴史から紐解くと、インドのヴェーダ哲学から古典ヨガのベースを作る聖典のウパニシャッドが誕生します。ウパニシャッドではヨガは「心の統一」を意味していました。それがやがてアプローチによって主に4つヨガに分類されます。それが、カルマヨガ、パクティヨガ、ジュニヤーナヨガ、ラージャヨガという古代の四大ヨガです。その後、ハタヨガが出来た段階で、枝分かれし無数に広がる現代ヨガが始まっていきます。
古代の四大ヨガ
前述したように、古代、「四大ヨガ」と呼ばれる4つの大きな流派に分類されます。最初に、古代の「四大ヨガ」を紹介します。
カルマヨガ (Karma Yoga)
カルマヨガは紀元前800~500年頃に作られたヨガです。「カルマ」は、「奉仕」「行為」という意味があり、「行為のヨガ」「奉仕のヨガ」と呼ばれています。カルマとは行為の結果として起こることを意味し、自分の役割を見定め、目の前にある事に一生懸命とり組むことを大切にし、その結果には執着しない生き方を実践するという教えです。ここでいうカルマは、仏教でいう業(カルマ)とは異なり、行いに対しては善し悪しはないとされています。カルマヨガでは日常の全ての場面が修行の場であると考えられおり、ノーベル平和賞受賞のマザー・テレサも実践したと言われています。
バクティヨガ (Bhakti Yoga)
バクティヨガは「献身、敬愛のヨガ」とも呼ばれており、神様を信じるヨガです。日本では馴染みがないのですが、インドでは多くの人が実践しているヨガです。ヒンドゥー教の叙事詩「マハーバーラタ」の中の聖典「バガバッドギーター」を基礎理念としています。バクティヨガには、「神」という言葉がたくさんでてきて、宗教的要素が強いのも特徴です。
ジニャーニャヨガ (Jnana Yoga)
ジニャーニャとは「知識」という意味で、ジニャーニャヨガは、哲学を探求するヨガのタイプです。身体面よりも瞑想や教典を通して精神面を鍛えることに重点が置かれるヨガです。指導者からの説教を聞いたり本を読んだりして、多くの学びを得るスタイルのヨガです。
ラージャヨガ (Raja Yoga)
ラージャとは「王様」という意味があり、ラージャヨガは「ヨガの王様」と呼ばれています。ヨガの古典的経典である「ヨーガスートラ」で紹介されている八支側に従って、瞑想で精神集中が深まり切った状態へ到達することを実践するヨガです。このラージャヨガは、その後多くのヨガの流派に派生していきました。
代表的な現代ヨガ8選
ここからは、代表的な現代ヨガを8種類紹介していきます。ヨガの起源といわれる「ハタヨガ」以前のヨガは瞑想が中心となっていました。「ハタヨガ」は、現代ヨガの流派を生み出すきっかけとなっています。
下のグラフでは運動量が多いものが上側で瞑想の強いものを左側にしています。
アシュタンガヨガ(Ashtanga yoga)
アシュタンガヨガは、古くから伝わるヨガの根本教典「ヨガスートラ」に記された「八支則」の教えに基づいたヨガです。八支則とはヨガを深めるために行うべき8つの教えの事で、これを基本に、呼吸とポーズをリンクさせながら活動的に動きます。決まったポーズを繰り返して行うのが特徴で、太陽礼拝、スタンディングポーズ、メインポーズ、逆さポーズ、フィニッシングポーズで構成されています。ポーズの難易度は高いとされており、後に発展する「パワーヨガ」のベースになっています。
パワーヨガ(Power yoga)
パワーヨガは「アシュタンガヨガ」をベースにして、アメリカで開発された運動量の高いヨガです。呼吸とともにダイナミックに動きながら、長いキープ時間でポーズを味わい、汗もしっかりかくのでダイエットや筋トレ効果も高いです。ハリウッド女優をはじめ海外セレブなどが美容と健康作りに取り入れたことから、世界中でブームになったヨガです。常温の場合と、ホットの環境で行う場合があります。
ホットヨガ (Hot yoga)
日本で最も多いヨガスタジオはホットヨガです。ホットヨガは、ハタヨガから派生したヨガのひとつで、高温多湿(温度は35度〜40度、湿度60%前後)の環境で行うのが最大の特徴です。体を温めてポーズを行うので、筋肉や関節の柔軟性が高まりやすく、初心者や体が硬い人でもポーズをとることがきます。大量の汗をかくので、体に溜まった老廃物が排出され新陳代謝がよくなり、美肌やストレス解消にも繋がります。さらに姿勢が美しくなったり、便秘解消、むくみ・冷え性改善など、さまざまな美容・健康効果も感じられます。
ハタヨガ(Hatha Yoga)
一般的なヨガスタジオや、ヨガインストラクター養成講座で教えられているのは、ほとんどがハタヨガです。ハタヨガとはHAとTHAの言葉の組み合わせで、HAは太陽=精神エネルギーであり、THAは月=生命力です。隠と陽という意味でもあり、バランス良く調和させるのがハタヨガです。呼吸とポーズに重点を置き、最もベーシックであり初心者でも始めやすいヨガです。
アイアンガーヨガ(Iyengar yoga)
アイアンガーヨガは、「B.K.S.アイアンガー」により考案されたヨガの流派です。ヨガブロックやヨガベルトなどプロップスと呼ばれる補助器具を使うのが特徴です。このヨガ器具は現在多くのヨガスタジオでも使われており、現代のヨガに大きな影響を与えています。
シヴァナンダヨガ(Shivananda yoga)
インド発祥の伝統的なヨガで、西洋医学の医師であったインド人の「スワミ・シヴァナンダ」によって考案されたヨガの流派です。呼吸法から太陽礼拝、12の基本ポーズ、瞑想、チャンティングをバランスよく行い、心と体の健康を高めます。1つ1つの基本ポーズの間に「シャバアサナ」を必ず入れるところもポイントです。
陰ヨガ(Yin Yoga)
陰ヨガはアメリカ人の「ポーリージンク」によって生み出されました。陰ヨガの特徴は、ひとつのポーズをじっくりと行うことでゆっくり筋肉の緊張をほぐしていくヨガで、ポーズはほとんど座ったままか寝た状態で行います。ハタヨガのように筋肉に繰り返し負荷をかけるのではなく、関節まわりにアプローチし柔軟性を高め、じっくり体と向き合う瞑想的なスタイルのヨガです。
沖ヨガ(Oki yoga)
沖ヨガは日本生まれのヨガで、日本人の「沖正弘」により創設された流派です。体を動かす「ハタヨガ」に加え、ラージャヨガ、カルマヨガなどの哲学部分と日本の仏教や神道、東洋医学やマクロビオティックなどの食事法を取り入れた総合的なヨガです。沖ヨガは健康的に生きていくための智慧のヨガだと言われ、アーサナを学ぶだけでなく、心身共に健康的になり生活そのものを整えてくれる効果があります。
まとめ
今回ここでご紹介したのはヨガの流派は一部です。流派それぞれにアサナ(ポーズ)や動作のスピードなどの違いはありますが、呼吸法と姿勢が重要であることは共通しています。心身の健康のため、また周りとの関わりをスムーズにするという目的で行うのが、ヨガであり、それぞれの流派がそれを後押ししてくれます。たくさんの流派の中から、自分に合った種類やスタイルを見つけるには、まずはクラスやスタジオを体験し、自分に合ったスタイルを探してみることをおすすめします。
ダイエットしたい人におすすめのヨガは、下記の2つです♪
ホットヨガ、パワーヨガ
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